エキシビジョン

ノマディック美術館
ノマディック美術館は、グレゴリー・コルベールのAshes and Snowの永遠の拠点として世界を巡回しつづける移動式建造物です。グレゴリー・コルベールは、この維持可能な巡回美術館のコンセプトを1999年に抱きました。作品展が世界を旅するのに伴って、各地の港で簡単に組み立てられ、決してひとつところにとどまることのない環境をもたらす維持可能な建造物を創るという構想でした。
Ashes and Snow は、2002年、イタリアのヴェネチアにあるアルセナーレで初めて開催され、この会場が、コルベールが構想する美術館のデザインと建築のインスピレーションとなりました。1104年に建てられたアルセナーレは、もともと造船所として使われ、ここで造られた船はヴェネチアの運河を通って大海へと漕ぎ出しました。その構造は、Ashes and Snowのコンセプトだけでなく、世界各地を40回以上にもわたって旅してきたグレゴリー・コルベールの作品とも見事に調和していました。
最初のノマディック美術館は、鋼鉄製の貨物コンテナ152個を高さ10mに積み上げて造られ、主な構造材料にはリサイクル資材、再生可能資材が使われました。最新のエキシビションで使われた美術館は、広さ5,300㎡で、2つの展示室と3つの映写室を備えていました。
美術館の各展示室は、木の厚板で作られた中央回廊によってつながれています。この中央回廊の両側には、川石を敷き詰めた展示空間があり、紙管の列柱の間に渡された細いケーブルとロッドから吊るされた額縁のない写真作品が、宙に浮いたかのように展示されました。これが入口として機能することにより、視覚的な境界線が作られ、物理的な通路と神秘的な作品の世界を分ける敷居となったのです。頭上には、スリランカ製のティーバッグ100万個を張って作った透けて見えるカーテンが、天井から床上12mの高さに吊るされました。
ノマディック美術館は、ニューヨークで初めて披露され、その後、サンタモニカと東京に移動しました。次のメキシコ・シティのエキシビションでは、斬新な作品を手がけている建築家とコルベールがさらにコラボレートし、維持可能な最新の建築技術を取り入れて変化していく予定です。